厳しい野外ロケ【厳しい野外ロケ】ドラマは野外ロケが多い。 連ドラは3か月単位でなっている。4~6月、7~9月、10~12月、そして1~3月。 その3か月間をワンクールと呼ぶ。 日本の季節の春夏秋冬にだいたい当てはまるかもしれない。 連ドラの撮影も、季節によっては厳しいものになる。 ある10月からの連ドラのエキストラ参加したときのこと。 撮影は、9月中旬の残暑厳しい日。気温31度。 「OAは11月だから、長袖の上着を持ってきて」と言われ、 いざ、撮影に参加。半そででも暑いのにっ! 炎天下、それぞれの親子が立ち位置が決められ、何度も何度もリハーサルを繰り返す。 何組もの親子が保育園へ登園してくるシーンなので、画面上のバランスやタイミングが大事なのだ。 (親子の設定でエキストラの場合、私たち子役の母親も参加する。但しノーギャラ。) いざ本番になり、もし太陽が雲の影に隠れると、「太陽待ちで~す!」と言って、 そのまま立ち位置に戻って撮影中断。 また、飛行機、ヘリコプター、救急車、バイク、トラックの音、セミの声、物売りの声、これらがすると、その音(声)が止むのを待たなければならない。 その間、俳優さんたちは、マネージャーが大きな射光傘を持ってきて 日除けをしてくれる。場合によってはうちわで扇いでくれる。 撮影再開になると、メイクさんがサッと汗を拭いてファンデーションを塗り直す。 こっちは炎天下、帽子も日傘もなく、おまけに長袖のジャケット。 汗だくだくで化粧もはげはげ‥。 でも結局、後姿だったり、映らなかったりなのでどーってことはない。 ただ、取り返しのつかない年齢なので、日焼けはごめんだ‥。 1度、セミ待ちの時、髪の毛の広がりを押さえるために、ヘアメイクさんが ある有名若手女優さんの後頭部に大きなヘアピンを付けていた。 セミが鳴きやみ(せみは鳴き終わるまで長い‥)、 「本番行きま~す!」「ヨーイ、スタートっ!」とカチンコがなる。 3,4秒してヘアメイクさんが軽く「あ、すみませ~ん」と女優さんの後頭部から 取り忘れたヘアピンを取りに行った時は、「ざけんなよーっ!」と心の中で叫んだ‥。 ある時は、騒音もなし、子どもたちもバッチリ!なのに 「あ、すみませ~ん、今、カメラの前に虫が~」で撮り直し‥。 撮影スタッフも野外となると気が緩むのか、ガムはもちろん、アイスクリームを食べながら 仕事をしていることもある。 でも、子役たちは欲しがったりしない。さすがだ。 相対的に子役のお母さんは、子どもに厳しい人が多いように思う。 厳しく躾けて、言うことを聞く子どもでないと、レッスンの先生や現場のスタッフの言うことなど 聞くわけないので、当然かもしれない。 エキストラは待ち時間も長い。エキストラの必要ないシーンも途中に入るからだ。 1時間以上の時もざら。 でも、いつ呼ばれるか分からないので、気は抜けない。 しかし、いくらレッスンを受けた子役でも、4,5歳くらいでは、 友だちが複数集まり、待ち時間が長いとさすがに騒ぐ子も出てくる。 でも、万一「はーい、本番入りマース!お静かに願いま~す!」「よーい、スタートっ!」の後に 子どもが騒いで、その声が入ると撮り直し。 それを2,3度やらかした子は、そのドラマには2度と呼ばれない。 長時間騒がないなんて、子どもには無理な話だ。 こんな時、最も冷や冷やするのは、母親なのである。。。 「はーい、本番入りマース!」を聞くと、お母さんたちは 口に人指しゆびを立てて子どもに向けて、「シーーーッツ!」と目が三角になり、 「は~い、オッケーでーす!」の声で、元の顔に戻るのである。。。 |